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保護犬の譲渡会、申し込みから決定までの流れ、保護犬を迎える前に揃えたもの、要らなかったものに続いて、今回はトライアル期間中の様子について書きます。トライアル期間に実際どんなことが起きるのか、迎える前はあまりイメージが持てなかったので、当時の記録をそのまま残しておきます。準備は一通り整えたつもりでも、実際に迎えてみないと分からないことばかりでした。
家に来た日
トライアル開始の日、隣県の保護団体の方が、マロンを車で家まで連れてきてくれました。移動には1時間ほどかかったとのことで、到着後、玄関先で改めて対面しました。
家の中で改めて近くで見ると、毛艶はあまり良くなく、肋骨が触れるくらい痩せていました。体重は当時10kgちょっとだったと記憶しています。よく見ると、顔には他の犬にかまれたような傷跡が3か所ほど残っていました。譲渡会の会場では気づかなかった細かい部分まで、家の中で近くで見ると分かってきた、という感じでした。
キャリーから出てこない日々
トライアル期間は2週間足らずでしたが、その間はずっと、かなり怯えている様子でした。家の中では、食事と散歩の時以外、団体から貸し出されていたキャリー(バリケン)の中からまったく出てきません。リビングに人がいる間は特に、キャリーの奥にうずくまったまま、じっとこちらの様子をうかがっているような状態が続きました。
呼びかけると顔だけこちらに向けてくれるものの、体はキャリーの奥のまま、という状態でした。しっぽを振ったり、遊んだりする様子は、このあと何年も見られませんでした。
少しずつ分かってきた様子
怯えている一方で、散歩は最初から驚くほど上手でした。保護団体の方によると、トライアルの前から散歩の練習をしてくれていたとのことで、その成果もあってか、リードを引っ張ることもなく、道の端をきちんと歩き、車が通っても過剰に怖がる様子はありません。ただし、傘や杖など、長いものを持った人とすれ違うときだけは、明らかに体をこわばらせていました。何か理由があったのだろうと想像はしますが、詳しい経緯は分かりません。歩くスピードを緩めたり、道の反対側に寄ったりしながら、その場をやり過ごすようにしていました。
エサはよく食べました。怯えている様子とは裏腹に、食事の時間だけは毎回しっかりお皿を空にしていたのが、当時は少し意外でもあり、安心材料でもありました。家の中では姿を隠したがるのに、エサの前だけは別、というギャップに、少しずつこの子の輪郭が見えてくるような感覚がありました。
トライアル中に使っていたもの
こうした様子を伝えると、保護団体の方からは、おやつとしてカンガルービッツを使うよう勧められました。低脂質でにおいも強すぎず、警戒心の強い子にも使いやすいということで、実際に慣れるまでのあいだ、よくお世話になりました。怯えて慣れない様子ではあったものの、食べ物には貪欲なところがあり、おやつは最初から手から食べてくれました。
キャリー(バリケン)も、トライアル期間中は団体からの貸し出しでしたが、正式譲渡後に自分たちでも同じものを購入しました。安定感があり、通院や災害時の備えとしても使えます。何年も使える丈夫なもので、今でも使っています。
食事については、当時から正式譲渡後しばらくまで、以下のフードを使っていました。消化のよさや原材料の質にこだわった、総合栄養食のドッグフードです。
散歩中の拾い食いについて
散歩に慣れてきた頃、気になる行動もありました。道端で枝を見つけると、まるで空腹を満たすかのように拾って飲み込んでしまう様子は、今も変わらず、散歩のたびに見られます。いわゆる拾い食い・異食といわれる行動です。エサはしっかり与えているので、お腹が空いているわけではないはずですが、それでも枝を見つけるたびに同じことが起きます。誤飲や消化管の詰まりにつながる可能性もあるため、注意が必要な様子だと感じています。気になる行動があれば、かかりつけの動物病院に相談しておくと安心です。
トライアル期間を振り返って
トライアル期間は、この子がどういう性格で、何を怖がり、何が好きなのかを、少しずつ知っていく時間でした。怯えてまったく懐かない様子は、このあと何年も続くことになります。正式譲渡に踏み切るまでのあいだ、この先どう暮らしていけるか、家族で悩んだり話し合ったりしたことも一度や二度ではありませんでした。それでも、散歩が上手なこと、傘が苦手なこと、エサだけは別なこと、拾い食いに気をつけたいこと。ひとつずつ分かってくるたびに、暮らし方も少しずつ整っていきました。
トライアル期間中にクリスマスを迎えました。
正式譲渡までの道のりは、まだこの先も続きますが、トライアル期間で少しずつ心を開いてくれた様子は、今振り返っても大切な記憶です。